ChatGPTに事業の相談をしても、返ってくるのはどこかで見たような一般論ばかり。
「確かに間違ってはいないけれど、自分の考えとは少し違う」と感じたことはないでしょうか。
その原因は、特別なプロンプトを知らないことではなく、あなたの経験、価値観、判断基準がAIへ十分に渡っていないことかもしれません。
30秒でわかる結論
AIに自分らしい答えを返してもらうには、うまい質問より、日々の背景知識を貯めることが大切です。
- ChatGPTへ話す
- 確定した情報をNotionなどへ整理する
- AIに参照させ、記事・改善・自動化に使う
この仕組みができると、AIが事業を知る「仕事の相棒」になります。
AIの回答が一般論になるのは、材料が足りないから
AIは、入力された情報から答えを組み立てます。
「私の事業の強みを考えて」と一文だけ伝えれば、業界でよく使われる表現から、それらしい案を返すしかありません。
一方で、次のような背景が渡っていれば、答えは変わります。
- なぜその仕事を始めたのか
- これまで何を経験してきたのか
- どのようなお客様に喜ばれたか
- どんな相談は受けたいか、受けたくないか
- 競合の表現に、なぜ違和感を持つのか
- 価格やサービス内容を、どんな理由で決めたか
- 文章の雰囲気は、硬めと親しみやすい方のどちらがよいか
AIの答えが薄いときは、質問の言い回しを何度も変える前に、判断材料が足りているかを確認してみてください。
私は、仕事のことをChatGPTへ話し続けてきました
私は、完成した文章だけをChatGPTへ渡してきたわけではありません。
仕事で起きたこと、考えている事業、うまく言葉にできない違和感、判断に迷ったことまで、日常的に話してきました。音声入力を使い、まとまっていない状態のまま伝えることもあります。
その積み重ねがあるからこそ、現在は事業ごとの前提を踏まえて、一緒にページや記事、運営方法を考えやすくなっています。
もちろん、AIが私の代わりに事業を決めたわけではありません。
AIが得意なのは、話した内容を整理し、共通点を見つけ、比較できる形にすることです。「これは自分らしい」「そこは違う」と判断するのは私自身です。
この往復を続けることで、ぼんやりしていた考えが少しずつ言葉になります。
貯めておきたい背景知識は8種類
最初から長い事業計画書を作る必要はありません。まずは、次の項目を少しずつ貯めます。
| 項目 | 残しておく内容の例 |
|---|---|
| 目的・対象者 | 誰の、どんな状態を変えたいか |
| 商品・価格 | 提供内容、料金、期間、含むもの・含まないもの |
| 経験・実績 | 仕事歴、取り組んだこと、結果、利用者の反応 |
| 失敗・学び | うまくいかなかった方法と、その理由 |
| 価値観 | 大切にすること、違和感を持つ売り方 |
| 強み・非対応 | 得意なこと、やらないこと、専門家へ任せること |
| よくある質問 | お客様から実際に聞かれたことと回答 |
| 判断の記録 | なぜサービス、価格、表現を変更したのか |
特に価値があるのは、きれいな成功談だけではありません。
「この方法は合わなかった」「この言い方は自分らしくない」という情報も、AIがあなたの判断基準を理解する材料になります。
言語化は「経験 → 強み → 価値 → サービス」の順で進める
いきなりキャッチコピーを考えると、抽象的な言葉になりがちです。
先に事実から始めます。
- 経験を出す:これまで実際にしてきた仕事や支援を話す
- 共通点を探す:繰り返し頼まれること、自然にできることを整理する
- 価値を言葉にする:その行動が相手にどんな変化を生むか考える
- サービスにする:誰へ、何を、どの範囲まで提供するか決める
- 伝え方へ落とす:ホームページ、記事、相談案内の言葉に変える
例えば「ホームページを自分で作った」という経験だけなら、単なる作業の話に見えます。
しかし、複数の事業で企画、制作、更新、計測まで続けてきた経験を並べると、「事業者が自分で改善できる状態を一緒に作る」という価値が見えてきます。
言葉を作る前に経験を棚卸しすることで、借り物ではない説明になります。
まとまっていなくても、まず音声で話す
考えを文章にしてからAIへ渡そうとすると、それだけで止まってしまう方もいます。
その場合は、スマートフォンやパソコンの音声入力で、次のように話してみてください。
今から事業について、まとまっていないまま話します。先に結論を決めず、私の経験、価値観、悩み、判断基準に分けて整理してください。足りない情報は、一度に一つずつ質問してください。
途中で話がそれても構いません。AIに先に短くまとめてもらい、その要約を見ながら「ここは違う」「本当に言いたいのはこれ」と直します。
自分の言葉を引き出すためには、最初から正解を出させるより、対話を重ねる方が向いています。
ChatGPTとの会話だけでは、情報が散らばる
日々の対話が増えると、今度は「どの会話に何を書いたかわからない」という問題が起きます。
AIとの会話には、まとまっていない考えを話しながら整理できる良さがあります。一方で、古い案、別事業の情報、検討中の内容が同じ場所に残りやすく、「結局、今の料金はいくらなのか」「どの説明を採用したのか」が見つけにくくなることもあります。
そこで、AIとの会話で決まった内容を、後から探せる一か所へ戻します。
私はNotionを「事業全体の教科書」にしています
私は、その保管場所としてNotionを使っています。
Notionは、文章、表、画像、リンクなどをページごとにまとめられる情報整理ツールです。事業ごとにページを分けたり、サービス一覧を表にしたり、変更した理由を残したりできます。
私の場合は、単なるメモ帳ではありません。複数の事業の目的、サービス、記事、判断の記録、今後の作業までをまとめた、自分の事業全体の教科書として育てています。
ChatGPTへ日々話した内容から、残すべき情報を整理し、その教科書をAIが参照して記事や改善案、次のタスクへつなげる。現在は、この流れのかなりの部分を自動化しています。

初めて画面を見ると「何をどこから作ればよいのだろう」と難しく感じるかもしれません。しかし、最初から複雑な仕組みを作る必要はありません。AIとの会話を要約してもらい、必要な情報を少しずつページへ移すだけでも始められます。
例えば、次のページを用意します。
- 事業の目的と対象者
- サービス一覧と現在の料金
- 経歴・実績・事例
- 文章やデザインのルール
- 決定事項と変更理由
- よくある質問
- 今後試したい企画
Notionでなければいけないわけではありません。Googleドライブの文書や表計算、ほかの検索できる情報整理ツールでも構いません。
大切なのは、AIとの会話を「考える場所」、情報の保管庫を「現在の正しい情報を置く場所」と分けることです。
どのツールを選び、どんな分け方にするかは、事業の数、資料の量、普段使っているサービスによって変わります。最初から機能を増やすより、自分が更新を続けられる形を選びます。
背景知識は3段階で仕事へつなげる
仕組みの全体像は、次の3段階です。
| 段階 | すること | 具体例 |
|---|---|---|
| 1. 話す | 日々の経験や判断をAIへ渡す | お客様の相談、失敗、違和感、思いついた企画を音声で話す |
| 2. 整える | 確定した情報を事業の保管庫へ戻す | NotionやGoogleドライブへ、サービス、料金、実績、ルールを整理する |
| 3. 使う | 必要な資料をAIに参照させ、仕事へつなげる | ページ案、記事企画、よくある質問、タスク、改善案を作る |
話す → 整える → 参照させる → 作る・改善する
この流れができると、AIは単に文章を作る道具ではなく、事業の背景を踏まえて作業を支える存在になります。
例えば、整理した資料をもとに、ホームページの説明文を考える、既存記事との重複を確認する、古い決定と新しい決定を比較する、次に必要な作業を洗い出す、といった使い方が考えられます。仕組みによっては、記事制作やサイト運営、定期的な確認作業の一部を効率化することもできます。
ただし、どのAIがどの資料を参照できるか、どこまで連携や自動化ができるかは、使うサービス、料金プラン、権限設定によって異なります。便利そうなツールを先に増やすのではなく、事業に必要な流れから設計することが大切です。
私は個別相談の際、公開できる範囲で、実際のNotionの整理方法や、AIへ情報を渡して作業へつなげている流れを画面でお見せできます。完成した文章だけではわかりにくい「どこへ何を置くのか」「何を自動化しているのか」まで確認できます。
ChatGPT、Gemini、Claude、Kimi。結局どれを使えばいい?
AIのサービスは速いペースで変わります。会話や調査に使うAIだけでも、ChatGPT、Gemini、Claude、Kimiなど、さまざまな選択肢があります。
さらに、ホームページやファイルを扱いながら作業を進めるAIには、CodexやClaude Codeなどがあります。
名称・提供状況の確認日:2026年8月11日
ただ、話題になるたびに仕事の場所を変え、事業の説明を毎回ゼロから始めると、背景知識が分散します。すると、高性能なAIを使っても、返ってくる答えは一般論へ戻りやすくなります。
大切なのは「一つのAIしか使わない」ことではありません。
どのAIを使っても、自分の事業の現在地を渡せる状態にしておくことです。
事業の目的、商品、実績、価値観、決定事項を一か所にまとめておけば、必要に応じて別のAIや作業支援ツールを試すときも、現在の情報を渡しやすくなります。
私は、日々の対話を積み重ねてきたChatGPTを仕事の中心に置いています。ただし、それが全員の正解という意味ではありません。使っているサービス、やりたい仕事、資料の置き場所によって、合う組み合わせは変わります。
選択肢が多いからこそ、「一番すごいAIはどれか」ではなく、自分の事業では何を話す場所にし、何を保管し、どのAIへどの作業を任せるかを決める必要があります。
AIと人の役割を分ける
事業の言語化をすべてAI任せにすると、整ってはいるものの、本人の温度がない文章になりやすくなります。
| AIに任せやすいこと | 本人が決めること |
|---|---|
| 話した内容の分類・要約 | 誰を支援したいか |
| 経験の共通点を探す | 何を提供し、何をしないか |
| 複数案の比較 | どの言葉が自分らしいか |
| 構成、表、チェックリスト化 | 事実が正しいか |
| 不足情報の質問 | 価格、約束、最終判断 |
AIは、あなたの実体験を作れません。公開前には、料金、実績、固有名詞、制度などの事実を本人が確認します。
Googleも、生成AIを調査や構成に使うこと自体ではなく、利用者に価値を加えず大量のページを作ることに注意を促しています。正確性、品質、関連性を優先し、実体験や独自の情報を加えることが必要です。
まずは15分、今日の仕事を言葉にする
最初の一歩として、今日の仕事が終わったら次の4つを話してみてください。
- 今日、誰から何を相談されたか
- 自分は何を見て判断したか
- どんな説明で相手が納得したか
- 次から変えたいことは何か
AIに「経験・判断基準・よくある質問・改善案に分けてください」と頼み、残したい内容だけを事業資料へ移します。
これを続けると、ホームページの説明、記事のテーマ、サービス内容、相談時の回答が、同じ考え方でつながり始めます。
まとめ:自分の言葉は、一回の質問ではなく日々の仕事から生まれる
AIで事業を言語化するために必要なのは、秘密のプロンプトではありません。
- まとまっていない考えを話す
- 経験、実績、価値観、判断基準に分ける
- AIの整理に対して「違う・合っている」を返す
- 確定した情報をNotionやGoogleドライブなどへ戻す
- 必要な情報をAIに参照させ、ホームページ、記事、サービス、日々の作業へ反映する
この循環を、普段の仕事に根づかせることが大切です。
自分の場合は何をAIとの会話に残し、何を事業の教科書へ移し、どこから自動化すればよいのか。使いやすいツールや仕組みは、現在の資料、事業の数、パソコン操作への慣れによって変わります。
KAGOMAの自走型マーケティング構築相談では、現在使っているサービスや資料を確認しながら、情報の分け方、貯め方、AIへの参照のさせ方、最初に取り組む作業を一緒に整理します。
必要に応じて、私が実際に使っているNotionの構成や自動化の流れも、公開できる範囲で画面をお見せします。記事だけを読んでツール選びに迷い続けるのではなく、自分に必要な形をその場で整理したい方はご相談ください。
参考にした公式情報
情報確認日:2026年8月11日

